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2007年の住宅ローン市場を読み解く
振り返ると、2006年は住宅ローン環境において大きな節目となった1年だった。日本銀行が「量的緩和政策」ならびに「ゼロ金利政策」を解除し、5年超におよぶ“超”低金利政策を変更したからだ。その結果、昨年3月にはローン金利が上昇し、金利上昇時代の幕開けを予感させた。ところが、年後半から金利上昇は頭打ちとなり、今もなお、ローン金利は低水準を維持している。そこで、引き続き今年も低金利が続くのか? それとも、大きな変化が待ち受けているのか? 2007年の住宅ローン市場を探ってみる。■公庫廃止を受け、フラット35に異変(?)
本年4月から、住宅金融公庫が「独立行政法人 住宅金融支援機構」へ生まれ変わるのは、ご存じのことと思う。中低所得者の住宅取得を下支えしてきた住宅ローンが、その生涯を終えようとしているのだ。代わって、フラット35が完全固定金利ローンの新たな代表選手として公庫の任務を引き継ぐが、昨年末、突然に融資条件の変更が発表された。融資額の上限を緩和するというがその内容だ。金額ベースで「8000万円まで」という上限はそのままで、融資掛目(融資率)を上限8割から9割へと1割アップさせる。頭金の少ない人でもマイホームが取得しやすくなるようにするのが狙いだそうだ。自己資金が不足ぎみの人にとっては、朗報といえるだろう。
| 変更前 | 建設費または購入価格の8割、かつ、8000万円まで |
| 変更後 | 建設費または購入価格の9割、かつ、8000万円まで |
しかし、思い起こせば昨年6月、フラット35と公庫財形融資を併せて利用する場合に、融資掛目の上限を8割から10割(頭金不要)へと変更したばかり。こちらは財形貯蓄をしている人にしか恩恵はなかったが、今回、フラット35の単独融資でも融資条件を緩和するあたり、少しでも顧客を囲い込みたいという意図(本音)も見え隠れする。なお、融資率上限が9割までと変更されるのは、今年3月(金融機関により異なる)からの予定だ。
■ゆうちょ銀行が、住宅金融市場の競争を加速させる
次に、“黒船”の来襲ともいえる新たな動きが、今年10月から始動しようとしている。郵政民営化によって誕生する、いわゆる「ゆうちょ銀行」が、10月の民営化後に東京・大阪・名古屋の3大都市圏で先行して住宅ローン業務の取り扱いを開始しようとしているからだ。現在の日本郵政は、本年10月に「郵便局会社」「郵便事業会社」「郵便貯金(ゆうちょ)銀行」、そして「郵便保険会社」へと民営化される予定だが、その中の1つ「ゆうちょ銀行」が住宅融資を始めたら、特に地方銀行などは太刀打ちできなくなるだろう。200兆円にもおよぶ潤沢な資金を武器に、低利かつ長期の住宅ローン商品が予想できるだけに、ライバル銀行にとっては脅威となるのだ。
しかし、こうした事情はあくまでローンを貸す側の話。借りる側にとっては歓迎できる内容だ。ゆうちょ銀行が住宅金融公庫の“生まれ変わり”として機能することも推測できるだけに、一般庶民の味方として、住宅金融の新たな担い手の誕生に期待したい。
■自宅にいながらローン業務が完結する時代へ
最後に、ローン商品の「利便性向上」も今年のトレンドと考えられる。昨年は「疾病保障付き住宅ローン」や「ミックス金利型住宅ローン」などが注目を集めたが、今年は新商品の誕生というより“使い勝手”に関心が向くと予想する。
どういうことかと言えば、事前審査から融資の申し込み、さらには、繰り上げ返済や金利タイプの変更など、すべてがインターネット経由で完結する仕組みが普及するのだ。共働きや育児で銀行の窓口へ相談に行く時間の取れない人、遠方に住んでいて近くに金融機関がない人などのために、自宅で手軽に融資の相談や申し込みができるようになるわけだ。すでにネット専業銀行では行われていることだが、信託銀行から信用組合まで、ネット整備に力を入れる金融機関が増えることだろう。住宅ローン環境にもユビキタスの波が近づいているといえそうだ。
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