住宅購入者の強い味方 「ローン特約」の仕組みを知ろう
本コラムの読者は、「いかに上手く住宅ローンを借りるか」について日々、模索していることと思うが、他方で、申し込んだローンが借りられなかった場合のことを考えたことはあるだろうか?売買契約前であれば特に問題ないが、契約後に否認されたら、すでに締結・成立している契約は自己資金を工面して履行しなければならなくなる。到底、無理な話だ。そこで、契約後にローン否認された際の対処方法について知識を深めておこう。■事前審査は事前審査でしかない
新築マイホームを取得する場合、現在の不動産取引では売買契約を締結してから住宅ローンの申し込みをするのが一般的な流れだ。「青田売り」が主流のため、契約は物件が完成する何カ月も前に締結しなければならないが、ローンの正式申し込みは引き渡し日の2~3カ月前で十分間に合うからだ。そのため、契約日とローン申し込み日には時間のズレが生じてしまい、冒頭のような事態(自己資金で工面)が起こることになる。

もちろん、ローンが借りられないということは、不動産業者にとっても歓迎できる要因ではない。そこで、契約前には必ず「事前審査」を行うことが習慣となっているが、仮に事前審査が問題なくても、正式に融資承認されるまでは安心できない。というのも、「収入が減った」「車のローンを組んだ」「転職した」というように、事前審査の時点と本審査の時点で借り入れ人の条件が異なってしまうと、契約後であろうと融資が認められなくなることがあるからだ。車のローンは本人の意思としても、リストラや事故・病気などは本人の自己都合ではない。それだけに、本審査で落とされることも想定しておくことが必要となる。
■「ローン特約」とは、手付金を没収されることなく解約できる制度
そこで、売買契約後に融資を申し込んだが断られ、購入資金が工面できなくなった場合、頼りになるのが「ローン特約」(「ローン条項」ともいう)だ。ローン特約とは、ローンが否認された際の対処法の1つで、融資不承認で資金繰りができなくなったことを理由に契約を解除する場合に限って、手付解除(=手付金が没収されること)が適用されず、契約解約できる制度である。
本来の決まりとして、手付金の没収さえ拒まなければ、どのような理由であれ買い主には契約解除が認められている。しかし、何百万円もの大金を放棄する(没収される)ことは並大抵の決断ではない。また、ローン否認は本人の完全な自己都合でもない。そこで、解除理由を融資不承認に限定し、当該理由に当てはまった際にだけ白紙解約(手付金が返還される)できるようにしたのがローン特約なのだ。消費者保護のための、強い味方である。
なお、ローン特約は、あくまで「特約」=「特別な約束」なので、契約書に当該条文が盛り込まれていなければ効力がない。また、提携ローン以外のローン(買い主が自ら選んだローン)には適用されない点も忘れないようにしたい。
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