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ローンが支払えなくなると、どうなるの?(銀行の直接融資編)


ローンが支払えなくなると・月刊住宅ローン  以前、本コラムで「米国ではサブプライムローン(融資条件のゆるい低所得者層向け住宅ローン)の焦げ付きが急増したことで、米景気全体に悪影響を及しかねないとの不安が広がっている」ことを述べた。事実、サブプライムローン大手のある企業はその後、経営破たんに追いやられている。このことは、住宅ローンの滞納が金融機関にとって致命的であることを露見させた証左といえる。しかし、それ以前の問題として、ローンを借りている側にとっても、当然ながら滞納は歓迎できることではない。そこで今回、借り手側の立場から、住宅ローンが支払えなくなるとどうなるのか? “万が一”に備え、制度の仕組みを紹介しよう。

■住宅融資システムには、3者のプレーヤーが存在する

 まずは、銀行の融資システムから見ていこう。本編では、金融機関が直接融資するケース(「フラット35」を除いた銀行直接融資の意味)について触れるが、その仕組みは以下のようになっている。
住宅融資システムの3者のプレーヤー

 顧客側(ローンの利用者)からすると、その窓口が金融機関となることもあり、顧客と金融機関による二者の関係を想像しやすい。しかし、実際は保証会社も加わっており、三つ巴(みつどもえ)の関係が構築されている。保証会社とは融資を行なう際、その借り入れを保証するための会社のことだ。そして、それぞれを相対に各種契約がなされることになるが、どのような契約が締結されるのか、以下、順番にその契約内容を見ていこう。

 まず、ローンの融資契約とは文字通り、住宅ローンの貸し借り(融資)に関する契約のことを指す。正確には「金銭消費貸借契約」(略して「金消契約」)といい、住宅融資システムの根幹をなす。これから住宅ローンを借りようとする方には、マイホームの売買契約あるいは請負契約と並び、身近な契約となってくるだろう。

 次に、保証契約とは金融機関が融資したローン(=債権)につき、保証会社が信用保証することを約束した契約をいう。そして最後、ローン利用者と金融機関との間で締結した金消契約に対する債務(=債権)について、保証会社に保証を委託する契約が保証委託契約となる。噛み砕いて言うと、金融機関の有する債権が回収困難とならないよう、保証会社に債務の肩代わりの役目を果たしてもらうことを約束した契約と言い換えられる。要は、保証人として保証会社に働いてもらうイメージだ。しばしば、「保証契約」と「保証委託契約」が混同されていることがあるので、ここで頭を整理しておこう。

■保証会社は金融機関のためにあり、ローン利用者のためにあるのではない

 さて、全体の仕組みが理解できたところで、それでは住宅ローンが支払えなくなったらどうなるのか、本題に話を進めよう。

 突然だが、本来、保証会社は金融機関のためにあり、ローン利用者のためにあるのではないことを読者の方はご存じだろうか?前述したように、銀行等から融資を受ける際、ローン利用者は保証委託契約を締結させられる。そして、そのための対価として保証料を支払うことになる。諸費用明細を見ると、けっこうな金額を占めることに驚かされるはずだ。

 しかし、保証会社の役割とは債務者(ローンを借りた人)が返済できなくなった際、ローン債権を金融機関から譲り受け、金融機関が資金回収で困らないようにすることにある。つまり、銀行などが“取りっぱくれ”を回避するための用心棒に等しいのだ。借りた側にしてみれば債権が移動するだけで、従来は銀行へ返済していたのが、今度は保証会社へ支払うこととなるだけ。決して返済が免除されるわけではないことを、どれだけの方が知っているか疑問でしょうがない。ここでいう「保証」とは、金融機関が債務不履行により債権回収できなくならないことを保証しており、債務者が返済不能の状態になった場合に支払いに困らないことを保証しているのではない。保証を“保険”と考えている人がいたら、とんでもない間違いだ。ここに、落とし穴が潜んでいるといえる。

 結論として、住宅ローンが支払えなくなったらどうなるのか?……銀行等からの直接融資の場合、債務(支払い義務)が金融機関から保証会社に移管されるだけで、保証料を支払っているにもかかわらず債務者には何ら恩恵は及ばない。督促は続くというわけだ。これから住宅ローンを組もうとしている方は、「保証」の意味を取り違えないようにしてほしい。


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