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改めて「財形住宅融資」に注目してみる(応用編)


改めて「財形住宅融資」に注目してみる(応用編)・月刊住宅ローン  前回は、財形住宅融資の制度内容を説明した。全体像の理解を中心に、その他、利用できる人の条件にも触れた。続いて、今回の応用編では基礎知識を応用させ、財形の魅力(メリット)と課題(デメリット)を考えてみることにする。住宅ローン商品が多様化する中において、財形住宅融資の有用性を整理してみたい。

■申し込み時の金利が適用される数少ない貴重なローン
 まずは、メリットから見ていこう。

・申し込み時の金利が適用される
・負担軽減措置のおかげで、住宅ローン利用者の返済負担がその分、軽くなる
・夫婦あるいは親子などそれぞれが財形住宅融資の資格者であれば、同じ住宅についてそれぞれが融資を受けることができる(ただし、融資額合計は8割まで)
・フラット35と財形住宅融資を併用して資金計画を立てると、両者の融資額を合計して100%融資(頭金ゼロ)が可能となる

 財形住宅融資で特筆すべきは、やはり、公的ローンの最大の特徴でもある「申し込み時の金利が適用される」ことだろう。今般、金利の先高観が表面化している中にあって、適用金利が申し込み時に確定する安心感は何者にも代えがたい。また、同じ住宅に対し、複数人で同時に融資が申し込めるのも財形ならではの特徴だ。たとえば、財形貯蓄残高が少なく、ご主人1人では必要かつ十分な借り入れが起こせないとする。その際、奥様が財形貯蓄をしており融資の有資格者であれば、奥様も同時に財形融資を受けることが可能となり、2人分の借り入れができるという仕組みだ。共働きの若いご夫婦などは利用価値が高いといえそうだ。

 そして、フラット35との併用でフルローンが利用できるのも、新たに加えられたメリットの1つだ。平成18年6月に導入されたこの新制度、自己資金が少ない人には魅力的な内容といえる。しかし、「借りられる額」と「返せる額」は必ずしも同額ではない。無理な返済プランにならないよう、慎重な資金計画を立てることをお忘れなく!

■転職すると、一括返済しなければならないことも……
一方、使い勝手の悪さも色々とある。具体例を挙げると、以下のとおりだ。

・個人事業主やフリーランス(自由業)、さらに、代表権や業務執行権を有する法人の役員も財形住宅融資を利用できない
・財形住宅融資の返済期間中に転職した場合、新しい転職先に財形貯蓄制度がないと財形融資を継続できない(転職先に財形貯蓄制度があれば、一定の手続きの上、継続することが可能)
・その結果、もしローン利用者が退職してしまうと、残債を全額一括返済しなければならなくなることがある(ただし、事業主転貸制度を利用している人のケースで、財住金あるいは機構直貸制度の場合は心配ない)
・金利タイプは5年ごとに適用金利が見直される「5年固定金利」となるため、同じ“公的ローン”でも完全固定金利のイメージでいると危険だ
・勤務先に「事業主転貸制度」がある場合、住宅金融支援機構による「機構直貸制度」は利用できない(本人の都合で自由に選択することができない)
・借り換えには利用できない

 再三、一般サラリーマンだけの特権であることは申し上げているとおりだが、その他、特に事業主転貸制度を活用して勤務先から財形住宅融資を受けている場合、その会社を退社する際には細心の注意が必要になる。というのも、財形住宅融資は財形貯蓄をしている人を対象とした融資制度だ。そのため、新しい転職先に財形貯蓄制度がないと、ローンの継続が困難になることが考えられるからだ。基本原則に立ち返れば、残額を一括返済しなければならない事態が待ち構えることになる。

 しかし現実問題、多額の現金をすぐに用意しろと言われて対応できるはずもない。また、別の金融機関へ借り換えることも容易ではないだろう。悩ましい局面を迎えることになるのだ。それだけに、財形住宅融資を検討する場合、上述したメリットとデメリットの両者をきちんと理解した上で、正しい選択(資金計画)をするように心がけなければならないといえる。


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