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住宅金融支援機構 10月からの改正点と注意点


住宅金融支援機構 10月からの改正点と注意点・月刊住宅ローン  住宅金融支援機構が誕生して4カ月余り。フラット35の累計受付件数も15万件を超え、金利先高観による金利上昇リスクを味方に、ようやく本格軌道に乗り始めた。そして、その勢いをさらに伸ばそうと、今年10月には証券化支援ローンと財形住宅融資へのテコ入れを予定。利用条件の簡素化などが実施されることとなっている。そこで、同機構による10月からの改正内容を紹介するとともに、見えざる“落とし穴”についても言及する。

■収入に関する利用条件の簡素化 「フラット35」と「財形住宅融資」
 今回の改正点は大きく2つあり、まず1つ目がフラット35および財形住宅融資の収入条件の簡素化だ。これまで、フラット35および財形住宅融資には「収入に関する利用条件」として、以下の2つの融資条件があった。

(1): 毎月返済額の4倍以上の月収があること
(2): (1)に加え、年収に占めるすべての借り入れの年間合計返済額の割合(=返済負担率)が下記の基準以下となること
年 収 300万円未満 300万円以上400万円未満 400万円以上700万円未満 700万円以上
基 準 25% 30% 35% 40%


 月収とは、年間収入(毎月の収入+ボーナス収入)を12(カ月)で除した数値のこと。たとえば毎月30万円、ボーナス1回当たり60万円(いずれも税金など含む)の収入のある人の月収は、年収480万円(30万円×12カ月+60万円×夏冬2回)÷12カ月=40万円となる。

 また、「毎月返済額の4倍以上の月収があること」とは、表現を変えると「毎月返済額が月収の25%(4分の1)以下に収まること」となる。上例に当てはめれば、ローン返済額が月額10万円以下(40万円×25%)になるような資金計画でないとならない、ということだ。

 さらに、(2)により返済負担率は35%以下(←年収480万円)という条件もクリアしなければならない。年収480万円に対する35%は168万円。住宅ローンの年間返済額(初年度)が168万円以内でなければならないことを意味する。毎月に換算すると14万円(168万円÷12カ月)だ。以上より、(1)かつ(2)を満たすには、毎月返済額(ボーナス返済分を含んだ年間返済額の12分の1の金額)が10万円以下でならないといけないことが分かる。ちなみに毎月10万円の返済が可能だとすると、金利4%、35年返済として約2250万円が借りられる計算だ。

■返済期間20年以下の人にとって、「フラット20」の誕生は朗報
 このように、これまではいくつもの融資条件が“重層的”に折り重なっていたため、返済シミュレーションがしにくいという難点があった。一昔前まで電卓をたたいて計算していた営業マンにとって、いささか面倒な決まりだったのだ。そこで、10月申し込み分からは利用条件を変更、前段(1)の条件を廃止し、同時に(2)の基準を以下の2区分に簡素化することで、改正後は融資条件を分かりやすくする狙いだ。

年 収

400万円未満

400万円以上

基 準

30%

35%



 次に2点目として、「20年」を境とした返済期間に応じて、証券化支援ローンごとに融資金利を設定することが決まっている。つまり、「返済期間20年以下」と「同20年超」によって適用する融資金利を変えようというのだ。現在、最長35年返済の証券化支援ローンのことを「フラット35」と呼んでいるが、この流れでいくと、最長20年返済の証券化支援ローン「フラット20」(仮称)の誕生が間近ということになる。当然、「20年超」に比べ「20年以下」の方が融資金利は低く設定される。そのため、返済期間20年以下を予定している人にとっては朗報となるだろう。「返済期間」に着目して新商品を生み出すあたり、“民営化”の成果といえるのかも知れない。

■「借りられる額」と「返せる額」を混同するな!
 以上、10月からの改正点を整理してみた。一見すると、ローン利用者の便宜を図った画期的な見直しと受け取れる。しかし、「簡素化」とはいっても実情は「条件緩和」。顧客を囲い込むための“にんじん”に他ならない。実は、ここに落とし穴が潜んでいる。思い出してほしい、住宅金融公庫の時代にも「当初、5年間は低い金利が適用される」といったステップ金利制度があった。このおかげで、同制度に飛びついたローン利用者が6年目からの金利上昇に耐えられず、返済困窮者となっていったのは知る人ぞ知る話だ。

 もちろん、本改正が同じ二の前になるかどうかは想像の域を出ない。勝手な予想と言われれば、それまでだ。しかし、可能性(リスク)を内包しているのも事実。改めて、「借りられる額」と「返せる額」は等しくないことを強調しておきたい。身の丈にあった返済計画を心がけてほしい。


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