ライフステージ別 資金計画の成功ポイント(シニア編)
2007年問題とも呼ばれるように、今年から団塊の世代が順次、定年退職を迎えている。そのため、リタイア後の生活を思案する高齢者は多く、アクティブシニアにとっては老後の住まいが新たな関心事となっている。今後もさらに高齢化は進むだけに、こうした傾向はより強まるだろう。となると、気になるのが住宅ローンの使い勝手だが、現実問題、高齢者が住宅ローンを利用するには不便な点も多い。そこで、シニアが上手に資金計画を立てるにはどうすればいいのか? シリーズ最後は、高齢者がローンを組む場合の注意点に言及する。
■「借入期間」が制限されるのが、シニア層のネックポイント
諸外国と比較しても長寿命な国、日本。はたして、長生きの実態はどうなっているのだろうか? およそ半世紀の平均寿命の推移(表1)を見てみると、ゆっくりではあるが、しかし、確実に長寿命化が進行しているのが分かる。近頃、「長生きリスク」などという言葉を目にする機会が増えたのも、こうした事実の表れなのだろう。
【表1】平均寿命の推移
西 暦 |
男 性 |
女 性 |
西 暦 |
男 性 |
女 性 |
1960年 |
65.32 |
70.19 |
1985年 |
74.78 |
80.48 |
1965年 |
67.74 |
72.92 |
1990年 |
75.92 |
81.90 |
1970年 |
69.31 |
74.66 |
1995年 |
76.38 |
82.85 |
1975年 |
71.73 |
76.89 |
2000年 |
77.72 |
84.60 |
1980年 |
73.35 |
78.76 |
2005年 |
78.53 |
85.49 |
高齢者が住宅ローンを組む場合には、“年齢”による壁が大きく立ちはだかる。というのも、高齢での借り入れになればなるほど借入期間が短くなるため(表2)、どうしてもその分、毎月の返済負担が大きくなるか、あるいは、借入額が少なくなる結果を招くからだ。それなら、「退職金(キャッシュ)で購入すれば?」と思うかもしれないが、誰もがそうはいかないだろう。やはり、住宅ローンのニーズは存在するのだ。そこで、登場するのが「親子リレー返済」だ。
親子リレー返済とは、一定の条件を満たす子供がローンの後継者として支払っていく返済方法のことで、親子二世代にわたって返済することにより、借入期間を長くできるのが特徴だ。この返済方法では親の年齢は制限されず、後継者(子供)の年齢で返済期間を計算することができる。そのため、たとえ親が80歳(申し込み時)であろうと子供が45歳以下(同)であれば、最長35年の返済期間を選択することが可能となる仕組みだ。ただ、中には同方式を取り扱わない金融機関もあるため、その点は使い勝手が劣るが、それでも最長の返済期間でローンが組める魅力は大きい。より豊かな老後を送りたいシニア層は、親子リレー返済を検討するといいだろう。
【表2】借入時年齢と借入期間の関係
借入時の年齢(歳) |
35 |
40 |
45 |
50 |
55 |
60 |
65 |
70 |
最長借入期間(年) |
35 |
35 |
35 |
30 |
25 |
20 |
15 |
10 |
完済時の年齢(歳) |
70 |
75 |
80 |
80 |
80 |
80 |
80 |
80 |
■団信保険を途切らせないよう、後継者に加入させることを忘れるな!
しかし、以下のような注意点もある。
・後継者が自分自身のマイホームを購入しようとした際、新たな住宅ローンが組めない
・申し込み本人が80歳を過ぎると、団体信用生命保険を脱退しなければならない
団信の保障期間は80歳までと決められている。そのため、親子リレー返済の申し込み本人が返済中に80歳を過ぎると、その時点で既加入の団信を脱退しなければならなくなるのだ。万が一に備えた大事な保険だけに、保障がなくなると不安だ。そこで、こうした事態を回避するため、申し込み本人が脱退後、新たに後継者が返済途中から団信に加入できるようになっている。任意加入のため強制ではないが、特に多額のローンが残っているような場合には加入しておくと安心だ。メリット・デメリットを理解した上で、上手に親子リレー返済を活用してほしい。
【参考】<フラット35 親子リレー返済の後継者の条件>
1.申し込み本人の子またはその配偶者で、定期的な収入のある人
2.借入申し込み時の年齢が70歳未満であること
3.申し込み本人と同居すること(将来同居も可)
4.連帯債務者になることができる人
(まとめ)
・高齢者でも親子リレー返済を利用すれば、最長期間で住宅ローンを組むことができる。注意点をしっかりと把握し、上手に活用することが望まれる。
・高齢者でも親子リレー返済を利用すれば、最長期間で住宅ローンを組むことができる。注意点をしっかりと把握し、上手に活用することが望まれる。
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